立場的に姫であるあたしは放課後には自動的に龍神の倉庫に連れて行かれる。
車に揺られて連れて行かれるそこには、勿論あたしの居場所なんてない。
連れて行かれるだけ連れて行かれて、後は帰る時間まで放置。
「大人しくしとけ」
銀色が車から降りたあたしにそう言って、自分達は2階にある幹部部屋に向かう。
あたしは幹部じゃない人達の居る1階に放置される。
する事もなくて毎日1人隅のほうでぼうっとして。
「でさ、」
「ギャハハ、なんっだよそれ!」
「お前、馬鹿だよな!」
「うるせぇーよ」
楽しそうに話して笑う声に耳を傾ける。
此処は嫌いだけど楽しそうな龍神の人達の声は好き。
矛盾してるけどそれは事実で。
楽しそうな声を聞くと、少しだけ心が軽くなる。
「あ、の」
ぼうっと楽しそうな光景を眺めていれば、恐る恐る掛けられた声。
「…はい」
視線を向けた先に居た人の近さに声が震えそうになる。
落ち着け。
この人は違う、何もしないと。