「お前、今日どうしたんだよ」


帰り支度をしているわたしのもとに、中学の頃から一緒の 小鳥遊くんが声をかけてきた。


「え、いやぁ……ちょっと寝坊しちゃって」


あはは、と取り繕った笑顔を返す。
だけど小鳥遊くんに訝しげな顔をされてしまった。

あ、これは完全にあやしまれている……


「遅刻するし、授業中は上の空、ただの寝坊ってわけじゃないだろ」

ご名答もいいところだ。
俯くわたしを見てか、小鳥遊くんは優しい口調に変わった。

「別に無理に言えってことじゃないけど……何かあるなら、さ」

聞いてやる――と。

「ちょっと、場所変えてもいいなら……」