「――それで、まぁ大幅に遅刻したっていう」


「そのじいさん、大丈夫なわけ?いくら凄い人だっつっても……」


小鳥遊くんはさっきよりも、訝しげな表情をする。


「お母さんたちも話してくれるし、何よりわたしと同じ学校の子がいるってとこは一番安心なんだ」

「それは分かるけど……」

「シェアハウスっていっても、年齢が離れてるより、近いからこそうまくいくかなって思うとこもあるし」

「ふうん……じゃあ今んとこお前はシェアハウスを前向きに検討中なわけ?」


どこか不満げな小鳥遊くんに、わたしは頷いた。


「うん、それがコスト的にもいいし……不安はあるけど」


野宿より全然いいもの。


「それに、すぐ安く住むとこ決まるのは願ったり叶ったりだから」


眉間にシワを寄せる小鳥遊くんに笑って見せれば、そっか……と小さく呟かれた。


「まぁ……お前がいいならいいけど」

「うん」