ランチのあとは都内に戻り、クリスマスマーケットを覗いた。
「今日は26日だけど、まだ開催してたんですね。クリスマスの雑貨がとっても可愛いです」
「そうだな。日曜日だから今日までやってるみたいだ。外国の雑貨はオシャレだな」
「課長のお部屋って、クリスマスツリー飾ったりするんですか?」
「したことないよ。男のひとり暮らしだからな。望月は?」
「さすがに大きなツリーは飾りませんけど、手作りのリースとガラス細工の小物を並べてます。ほんのちょっと、気分を味わう程度ですけどね」
「そうなんだ。俺はほんのちょっとも気分を味わってなかったな。こんなふうにクリスマスらしさを感じるのも久しぶりだ」
だんだんと日が暮れて、イルミネーションが輝き出す。
カップルの姿が多くなり、仲良さそうに肩を寄せ合って写真を撮っていた。
「おっと、危ない。望月、気をつけて」
「はい」
いきなり前を歩いていたカップルが立ち止まり、スマートフォンで自撮りを始めた。
どうやら周りが見えていないらしい。
気がつくとあちこちでイルミネーションをバックに記念撮影するカップルが増え、通路も混雑してきた。
「望月、こっち」
不意に潤が左手を伸ばし、真美の右手を繋ぐと、グッと引き寄せた。
「危ないから、くっついてろ」
「はい」
潤の大きな手で包み込まれた右手に意識が集中し、真美は胸がドキドキし始める。
うつむいて真っ赤になっている真美の顔をチラリと横目で見た潤も、一気に緊張した。
(か、可愛い……)
こんなに顔を赤くしているということは、自分のことを意識してくれているということだろうか?
それにこんなにも少女のようにあどけない顔は、岳に見せる顔とは違っていた。
(よし、男を見せるんだ!俺は29歳なんだぞ。岳よりもうんと経験値が高い。身長だって高い。いつか抜かれるかもしれないけど……。その前に望月を奪ってみせる!)
大人げないとは分かっていても、潤はメラメラと岳に対抗意識を燃やしていた。
「今日は26日だけど、まだ開催してたんですね。クリスマスの雑貨がとっても可愛いです」
「そうだな。日曜日だから今日までやってるみたいだ。外国の雑貨はオシャレだな」
「課長のお部屋って、クリスマスツリー飾ったりするんですか?」
「したことないよ。男のひとり暮らしだからな。望月は?」
「さすがに大きなツリーは飾りませんけど、手作りのリースとガラス細工の小物を並べてます。ほんのちょっと、気分を味わう程度ですけどね」
「そうなんだ。俺はほんのちょっとも気分を味わってなかったな。こんなふうにクリスマスらしさを感じるのも久しぶりだ」
だんだんと日が暮れて、イルミネーションが輝き出す。
カップルの姿が多くなり、仲良さそうに肩を寄せ合って写真を撮っていた。
「おっと、危ない。望月、気をつけて」
「はい」
いきなり前を歩いていたカップルが立ち止まり、スマートフォンで自撮りを始めた。
どうやら周りが見えていないらしい。
気がつくとあちこちでイルミネーションをバックに記念撮影するカップルが増え、通路も混雑してきた。
「望月、こっち」
不意に潤が左手を伸ばし、真美の右手を繋ぐと、グッと引き寄せた。
「危ないから、くっついてろ」
「はい」
潤の大きな手で包み込まれた右手に意識が集中し、真美は胸がドキドキし始める。
うつむいて真っ赤になっている真美の顔をチラリと横目で見た潤も、一気に緊張した。
(か、可愛い……)
こんなに顔を赤くしているということは、自分のことを意識してくれているということだろうか?
それにこんなにも少女のようにあどけない顔は、岳に見せる顔とは違っていた。
(よし、男を見せるんだ!俺は29歳なんだぞ。岳よりもうんと経験値が高い。身長だって高い。いつか抜かれるかもしれないけど……。その前に望月を奪ってみせる!)
大人げないとは分かっていても、潤はメラメラと岳に対抗意識を燃やしていた。