おゆうぎ会が終わり、着替えると解散となった。

岳は真美と手を繋いで、他の園児達に「バイバイ!」と挨拶している。

「がっくん、そのひとだれ?」

おしゃまな女の子に聞かれて、岳は「じゅんのかのじょ」と答えた。

ひえ!となりながらも、まあ子ども達にはそう思われてもいいか、と真美が開き直っていると、「あら!そうなんですね」と母親の声がした。

「岳くんの叔父さんの?いいですねー。岳くん、ママと離れてても、こんなに素敵なお姉さんがいてくれたら寂しくないね」

うん!と岳は大きな声で返事をする。

「あの、初めまして。望月と申します。いつも岳くんがお世話になっています」

女の子の母親に挨拶すると、他の園児や母親達も集まって来た。

「今朝からずっと気になってたんですよ。若くて可愛い人がいるなって。そうだったんですね。岳くん、叔父さんとお姉さん、とってもお似合いだね!いいね」
「うん!じゅんとまみは、おふぃすらぶでけっこんするの」

ヒー!と真美が仰け反り、潤は「岳!」と慌てて止めに入る。

「あの、皆様。それでは我々はここで。失礼いたします」
「ふふふ、初々しいわー。はい、今日のところはこれで」

どうぞお幸せにー、と見送られ、潤は真美と岳を促し、そそくさと園を出た。