「あ、この子は灯ちゃん。怖い思いしたみたいだから、優しくしてあげてね?」
ツンツン頭の男性の表情に気付いたのか、慌ててわたしの紹介をしてくれるアリスさん。

そして、アリスさんはわたしの方を見ると、「こっちはリュウサ。無愛想でちょっと怖い印象かもしれないけど、優しくて強いから心配しないで?」と言い、紹介してくれた。

「えー、俺も優しくて強いよ?」

キッチンでつまみ食いをしながらケイシさんは言った。

「あ!ケイシ!またつまみ食いして!」
「だって、アリスの料理旨いんだもん!」

アリスさんにつまみ食いを注意されるケイシさん。

テーブルに座り、出されたシチューを黙ってモクモクと食べるリュウサさん。

何だが、こんな穏やかな雰囲気の中にいるのが久しぶりで、、、いや、初めてかもしれないと思うと、涙が溢れてきた。

そして、泣いているわたしに気付いたアリスさんはそっと駆け寄ってくると、優しく抱き締めてくれ「辛かったね。」と言ってくれたのだった。