すると、ケイシさんの耳についているイヤホンが光った。
ケイシはイヤホンのボタンを押すと「はい、ケイシです。」と言った。

どうやら、上司からなのか本部からなのか分からないが、連絡が入ったらしい。

ケイシさんは、「はい、、、はい、、、分かりました。」と言うと、イヤホンを切った。

「どうしたんですか?誰からの電話だったんですか?」
 
不安そうなわたしに微笑みかけるケイシさんだったが、さっきの微笑みとは少し違った。
寂しそうな、切なそうな、そんな微笑みだったのだ。

「司令が出たから、俺は行って来るね。」
「え?どんな司令ですか?!」
「、、、大丈夫だよ!任務が終われば、必ず戻ってくるから!約束!」

そう言うと、ケイシさんはわたしの手を握り締めた。
そして、わたしの左手に視線を落とすと、「付けてくれてるんだね。」と嬉しそうに微笑んだのだ。

「じゃあ、いってきます!」

ケイシさんはそう言うと、飛び立って行ってしまった。

「ケイシさん!!!」

ケイシさんはリュウサさんとアリスさんに元へ行くと、今さっき入った司令について話をしているようだった。

何て言っているのかは分からないが、リュウサさんとアリスさんはケイシさんを止めているような仕草をしていた。

しかし、ケイシさんの決意は固く、リュウサさんとアリスさんが制止を振り切ると、巨大黒魔に向かって飛んで行ったのだった。