「アリスは、灯ちゃんを頼む。」
そう言い、再び巨大黒魔に向かって飛んで行くリュウサさん。

「リュウサ!!!」

ケイシさんと共に巨大黒魔の隙をみては攻撃を続けるリュウサさんは、さっき吹き飛ばされた時のダメージが強かったのか、少しふらついているように見えた。

それを見て感じ取っていたのはアリスさんも同じだった。

「灯ちゃん、わたしも行ってくるから、このバリアの中から離れちゃダメよ?!」
険しい表情でそう言うアリスさんに「アリスさん、危ないですよ!」とわたしは止めたのだが、アリスさんの意志は固かった。

「お願い。リュウサとケイシが戦っているのに、見ているだけなんて出来ないの。」

アリスさんの言葉にわたしは、「分かりました。」と言うと、「気を付けてくださいね?!」と言い、覚悟を決めたような表情のアリスさんが巨大黒魔に向かって飛んで行く後ろ姿を見送った。

ケイシさん、リュウサさん、アリスさんの3人は、巨大黒魔との戦いにかなり苦戦をしていた。

ケイシさんやリュウサさんが腕を切っても、すぐに再生し、頭を狙おうにも腕が邪魔して近付けやしない。
アリスさんが出す光や光線も若干ひるむくらいで、それほど大きなダメージを受けているようには見えなかった。

すると、わたしに気付いたケイシさんがこちらに向かって飛んできた。

「ここに居たんだね!大丈夫?!」
「わたしは大丈夫です!でも、ケイシさんが、、、!」

予想通りケイシさんは血だらけでボロボロだった。

心配するわたしに「大丈夫だよ!平気、平気!」と微笑んで見せるケイシさん。
しかし、確実に体力が削れているのは確実だった。