まるで巨大なクラゲのような形をした黒い物体は、わたしですら巨大化した黒魔だと分かった。

なぜかウネウネとした何本もの腕を振り回していて、何をしているのかと思えば、ケイシさんとリュウサさんを狙っているからだった。

二人は、その腕を避けながら剣で戦っていたが、切れた黒魔の腕はすぐに再生してしまっていた。

すると、わたしたちより先に二人の元へ向かっていたムーンバードのルナちゃんが、巨大化した黒魔に向かって光を放っていた。

その光にひるむ巨大黒魔。

巨大黒魔がひるむ隙にリュウサさんが高く飛び上がり、剣を大きく振り下ろそうとしていたが、その前に巨大黒魔が回復してしまい、巨大黒魔の振り払った腕がリュウサさんにあたってしまったのだ。

「リュウサ!!!」
リュウサさんの姿に叫ぶアリスさん。

吹き飛ばされたリュウサさんは、近くにあった大樹に勢いよくぶち当たっていた。

急いでリュウサさんの元に向かう、アリスさんとわたし。

「リュウサ!大丈夫?!」
慌ててリュウサさんに駆け寄って行くと、リュウサさんは頭から血を流していた。

「これくらい平気さ。」
「でも、その怪我!」

リュウサさんは頭だけでなく、身体も傷だらけだった。

ということは、もしかしてケイシさんも、、、
わたしの頭にはそんな不安がよぎっていた。