今日は月が半月だ。
雲がかっていて、公園はいつもより暗い。

小さな公園の為、街灯は一つしかないのだ。

すると、真っ黒い雲が空を覆い始め、半月が消えかかった。

えっ?何?

半月が全て消えたかと思うと、周りは真っ暗になり、自分の手さえ確認出来ない程だ。

そして、パッと周りが見えるようになったと思うと、今さっきまでいた公園とは全く違う薄暗い田舎町のような場所にわたしは立っていたのだ。

「ここ、、、どこ?」

わたしが困惑していると、地面に真っ黒い影があることに気付いた。
しかし、わたしの影ではない。

その影は地面を這いながらニョロニョロと、わたしの方へ近付いて来た。
わたしは慌てて走って逃げようとした。

すると、わたしの目の前に黒髪の男性が現れ、手に持っていた大きな剣を振り下ろし、影を散らしてくれたのだ。

「大丈夫?」

剣を鞘にしまいながら、その男性は言った。

「はい、、、ありがとうございました。」
「君は?もしかして、ここに来たばかり?」

少し長めの黒髪にいかにも剣士という格好をしたその男性は、わたしを見て心配そうに言った。