「気に入ってくれた?」
「はい!嬉しいです!」
わたしの喜ぶ顔に「良かった。」と安堵を見せるケイシさん。
「アリスに崩れないよう魔法をかけてもらったから、そんな簡単には崩れないはずだよ。」
「そうなんですね。大事にします!」
わたしはしばらく、自分の左手で光り咲く月光花を見つめていた。
こんなに嬉しいプレゼントをもらったのは初めてだった。
いや、プレゼント自体が初めてかもしれない。
初めてもらうプレゼントがケイシさんからだなんて、心が温かくなると共に、少しずつケイシさんに惹かれていっている自分に気付くのだった。
そんなある日の夜。
この日は、ケイシさんが巡回当番の日だった。
そろそろ就寝しようかという時、外から警報が鳴り響くのが聞こえてきたのだ。
いつもなら、3人それぞれが付けている腕輪が振動して黒魔の出現を知らせるのだが、今日は違った。
わたしは何が何だか理解出来ないまま不安の中にいたが、わたし以外の3人は何かを察知しているようだった。
「来たかぁ、、、」
ケイシさんがそう呟いた。