「じゃあ俺、仮眠取るわ!今日、巡回当番だから!」
そう言うケイシさんは、ハンモックに寝転がった。
剣をすぐ横に置き、何かあったらすぐ行けるようにしてるんだろうなぁ。
そして、初めてわたしが黒魔に襲われかけ、ケイシさんに助けてもらったときのことを思い出していた。
すると、「ケイシ、気になる?」とアリスさんが首を傾げ、尋ねてきた。
アリスさんは黒髪がサラサラッと落ちた。
「え!!」
「ケイシ、カッコいいもんね。」
ハンモックで眠るケイシさんに視線を移しながら、アリスさんは言った。
「でも、アリスさんはリュウサさんのことが、、、」
わたしがそう訊くと、アリスさんは恥ずかしそうに「うん、そうだね。」と答えた。
「幼馴染でさ。小さい頃から一緒に居たの。でも、リュウサ、、、あの通りでしょ?だから、全然、、、わたしに興味ないんだと思う。」
「そんなことないですよ。ただ、不器用なだけだと思います。自分に自信がないというか、、、わたしもそうなので、何となくわかるんです。」
わたしの言葉に微笑むアリスさん。
「ありがとう。何か嬉しいなぁ。でも、この話は内緒ね?女子トーク!」
そう言いながら、アリスさんは人差し指を口元にあてた。