「ここの世界には、黒魔っていうお化けみたいな悪魔みたいなのがウジャウジャいる。ほら!灯ちゃんを襲おうとしてきたやつ!」
「あぁ、、、」
「あいつらは、闇を持つ人間をこっちの世界に呼び込んで、心を奪うんだ。」
ケイシさんの説明にあまりピンとこない自分がいたが、恐怖は感じていた。
「心を奪われたら、、、どうなるんですか?」
わたしの言葉にケイシさんは険しい表情を浮かべると、「消える、、、そして、この世から存在自体を消されて居なかったことにされてしまうんだ。」と言った。
わたしは俯いて考えた。
確かにわたしは、、、自分が存在する意味を見失い、消えたいと思ったことはある。
でも、いざ消されてしまうと考えると、鳥肌が立っている自分がいた。
「灯ちゃんは、大丈夫。まだ心が闇に染まってない。俺たちが守るから、安心して?」
ケイシさんはそう言うと、笑顔を見せてくれた。
すると、アリスさんがホットミルクを出してくれた。
「これ飲んで落ち着いて?」
そう言って微笑むアリスさん。
「ありがとうございます。」
怖い思いをしたけど、ここに来て良かったと思っている自分がいた。
アリスさんが出してくれたホットミルクは、甘くて優しい味がした。