恋たちはビルの隣のマンションに案内された。

 避難所長がキーを回して扉を開けると、中は美しい作りの新しい広い部屋で、キッチンとダイニングと続いたリビングが見えた。

「中に個別に鍵とバスルームのついた部屋があります。3つ部屋があってランドリールームも付いてます。」


 それから恋の方を見て、


「女性の方は別部屋の方が良かったですか?」


 と聞いた。


「同じで良いです。」


 宗介が言った。


「僕が聞きたいのは、僕達はいつ帰れるのかって事なんですけど。とにかく保護してもらってありがたいです。」


 と、バタバタしている玄関へ、一人の男の子が走ってきた。


「恋!」