着いた避難所はマンションの様な建物と近未来的なビルで、魔法研究所と小さな町が一体になっていた。
車を降りると、恋たちはピカピカしたビルの中に入った。
エレベーターで最上階まで行って、広い部屋に案内されると、避難所長が窓に背を向けて大きなデスクについていた。
避難所長は恋たちを見ると、立ち上がって握手して挨拶をした。
「ありがたい!。魔法覚醒者の異世界人さん。」
避難所長が言った。
「昨今、魔法を扱える人が少なくて、町の治安は悪い方に傾くばっかりだ。期待してますよ。」
「期待って……それじゃ僕達、元の世界には帰れないんですか?」
宗介が声を荒げた。
「どうなってるんですか、この世界。仕組みを説明して欲しい。」
「まあ、まあ、そう慌てず。」
避難所長は言った。
「異世界人さんたちのために部屋を用意させます。ここが避難所と呼ばれているのは、ワープしてきた方や魔法覚醒者のための隠れ家だからなんです。ここへ居れば安心ですよ。」