道は緩やかな坂になっていた。
 森から下って歩いていくと町の入口に大きなアーチがあり、見上げると小鳥が止まっている。

 アーチをくぐると町の店の並びが見えてきた。
 見た所恋達の居た町と別に変わった所はなく、コンビニや郵便局があった。

 通りをいく人の雰囲気も別に変わったところはなかった。

 宗介が通りすがりの人を捕まえた。



「すみません。」

「はい」


 散歩をしていたらしいお婆さんは宗介をのんびり見返した。


「ここって何ですか?何ですかっていうか、どこなんですか?」


 お婆さんは町の名前らしいカタカナを言った。



「僕達、違う世界からワープして来ちゃったみたいで。すごく困ってるんです。」

「ワープ?」


 お婆さんは穏やかに聞き返した。


「じゃあ異世界人さんかしらね。そういう場合は、町の魔法協会に行くと良いですよ。」

「やっぱり魔法があるんですか?」


 わくわくした恋が思わず聞き返すと、宗介が恋を睨んだ。


「その魔法協会の場所、ご存知だったら教えてもらえますか?」


 䄭風が聞いた。


「ええ知ってますよ。この大きな道をまっすぐ行ったところです。看板があるから分かりますよ。」


 お婆さんに言われて、恋達は魔法協会に向けて歩き出した。