「確かにな。対バンすんの初めてだったな。気になる」


ポテトを口に運びながら、ライトさんは言った。


「いいバンドなんじゃないの? ボチボチ集まってきたそいつらのファン、奪っちまおうぜ!」
「それまでスティック折るなよ」


 エイゴさんの言葉にすかさずハルキさんがツッコむ。エイゴさんが急に小さくなったから、私はまた笑った。


「そいつの名前、知ってる?」


 ライトさんが興味津々に兄に聞く。


「さっき他のバンドに聞いた。タスクって言うんだって」


 兄の答えに私は「へぇ」とコーラを吸う。ストローがズズッと音を立てた。