＊＊＊


「放課後は部活だって言ったじゃない」


　屋上まで、また来てしまった。昼休み後にスマホを開いてしまった自分が悪い。くっきりと『既読』をつけてしまったそれを、無視してしまうのが怖かった。


［だったら来なくてよかったんだけど］


　空咳をしながらスマホを弄って、タスクはこっちをじっと見る。いつもはボサボサで見えないタスクの瞳が、私を捉えた。


「だって、アンタに呼ばれたから」


　私がそう言うと、彼はスマホを操作する。


［忠犬かよｗｗ］


「来なかったら、もう会えなくなっちゃう気がしたんだもん」


　私が小さく呟くと、タスクはまたスマホを弄る。


［彼氏いるくせにそーゆーこと言うな］