***


 からっと晴れた次の日の昼休み。私は彼を探して屋上を訪れていた。タスクはこの前と同じように、フェンスにもたれて座っている。


「やっぱり、ここにいた」


 空咳をしてから、タスクは片手をあげる。私は折り畳み傘を差し出した。


「これ、ありがとう。喉、大丈夫?」


 タスクは一瞬肩をぴくっと揺らすと、ポケットからスマホを取り出した。


[大丈夫]


 震えたスマホを手に取ると、そうメッセージが届いた。私は彼の隣に座って、メッセージを送る。


[でも、教室でも咳してた]

[問題ない]

[でも、それじゃ歌えないでしょ]


 そう送った瞬間、タスクはくしゃみをした。