[なんで少し濡れてんの?]


 私がそう送ると、タスクはすぐにスマホを見下ろして操作する。


[屋上で寝てたら降られた]


 しばらくして送られてきたその言葉に、私はクスクス笑った。


[笑うな]

 そのメッセージが余計におかしくて、私は肩を揺らして笑った。


[使え]


 タスクは私の胸元に折りたたみ傘を押し付けた。そのまま靴を履いて、怠そうに昇降口を出ていこうとする。


「ちょ、ちょっと待ってよ!」


 私は彼の腕を掴んでいた。