「わり、邪魔したな」


 タスクはそう言った。


「ううん、全然……」
「タスクくん! 俺、同じボーカルとしてすごい感激したんだ。この後話したいんだけど、ダメかな?」


 言いかけた私の言葉に被せるように、興奮したライトさんは話しかける。その勢いに押され一瞬狼狽えたタスクは、溜息をついた。


「それ、彼女放ってすることじゃないでしょ。じゃ」


 タスクはその場から逃げるように去っていった。


「俺の熱意、伝わらなかったのか……」
「伝わりすぎたんだと思います」


 落胆するライトさんの背中を、ペシッと優しく叩いたら、ライトさんは笑った。


「でもまあ、彼の言うことも一理ある。俺、一応ルミちゃんの保護者だったわ」
「そうでしたね」


 私たちは笑いながら、その場を後にした。