「やっぱただ者じゃねぇわ、アイツ」


 彼のステージが終わってもなお、いまだ熱気の覚めやらないライブハウスの中。ライトさんが呟いたその言葉に、私は激しく賛同した。


「ルミちゃん、俺どうしても彼と話したい。会えないかな?」


 そんなこと言われても、と困惑した私の肩に、背後から手が置かれた。火照って、少し汗ばんだ、大きな手。
 私は振り返った。


「タスク……」
「今日は、サンキュ」


 少しハスキーなその声は、久しぶりに聞いた、タスクの話し声。タスクはライトさんにウッス、と軽く頭を下げた。