「ルミちゃん、魂が踊ってたね」


 後ろから聞こえたエイゴさんのその声に、はっとした。彼のいた舞台を前に、その余韻に浸っていた。


「なかなかいいもんでしょ、こっちも」


 私は頷いた。


「ルミ、帰るぞ」


 いつの間にかギターを背負った兄が、私を呼びに来た。その時、舞台袖から出てきた影に、肩を掴まれた。


「おい、アンタ」


 息を切らせ、片手にペットボトルを持った彼は、さっきまでステージで私を魅了していたタスクだった。