「わーお。

いきなり八代さん宅」







エレベーターを降り、一番手前の部屋の表札に八代と書かれていて、


夏美はそう言って、ドアから窓に視線を移した。







「…この窓か。

よし、マドカさん叩け」



「え…私すか?」



「知らない爺さんとか出てきたら嫌じゃん。


真也じいさんとか」



「いや、真也じいさん知り合いだろ…」






私は恐る恐る、窓をコンコンと、二回叩いた。