隠していた自転車に乗った私達は、どこへ向かう訳でもなく、フラフラと自転車を走らせた。 「達也んちさ、扇風機じゃなくて、エアコンなんだってね」 静香の後ろに乗った夏美が、私に言ってきた。 「電話して起こす?」 「いや、直接行こう。 窓叩けば起きるって、真也が言ってたし」 夏美はそう言って、達也の家の方角を指差した。 「ゆけー、静香ー」 「たまにはお前こげよ!」