岡田先輩はゆっくりと私達の方に歩いてきて、達也の前で足を止めた。
「お前が言う通り、理不尽な世界なんだよ。
気に食わなけりゃ、やる。
上が黒って言やあ、正解が白でも黒になる。
納得いかねえ事なんて、これから先、いくらでも出てくるぜ。
お前らは、その度に上に突っかかってくんのか?」
柔らかい表情で、優しく問いかける岡田先輩。
「別に突っかかりなんかしないっすよ、先輩らに。
…ただ、俺はこいつが誰かにやられそうになったら、
理由はどうあれ先輩だろうと誰だろうと、
噛みつきますけどね」
達也はそう言って、真也の肩に手を置いた。