「花火、全部出しちゃえよ」
波打ち際へ着くと、荷物を置いた拓真が言い、浩輝君がそれに答えた。
「ういっす」
暗くてよく見えないが、酒を飲みながら騒いでいる数人の男女から、十メートル程しか離れていない場所に、私達は座り込んだ。
「ロケットからいきます?」
「おう、やれやれ」
「私は線香花火からって、昔から決めてるんだ〜」
私と優介君を除いた4人は、隣を気にせずに花火をやり始めた。
「春美先輩…大丈夫なんすかね?
隣の人達、めっちゃ見てますけど…こっちのこと」
「…うん。なんか、やばそうだよね…」
数分後、私と優介君の不安は的中した。