「あ、先客が居る」








地元から少し離れた海岸に着くと、拓真たちが毎年遊ぶという砂浜に、先にバイクを止めている人達が居た。







「拓真、場所ずらす?」



「や〜だ、ここがいい。

優介、あいつらに帰って下さいって言ってきてよ」



「嫌っすよ…夜中に海にバイクで来て騒いでる奴らなんて、絶対ヤンキーっすよ」



「根性ねえな〜優介は。

ま、いっか。関係ないから行こうぜ」






拓真はそう言ってバイクを降りると、スタスタと花火を持って歩いて行き、みんなも拓真の後ろに続き、砂浜へ向かった。