「乗っていいよ〜」



「え、私…こっち?」






バイクのエンジンをかけた拓真が、近くに居た明菜に言った。








「どっちでも同じだろ」



「……。」






明菜が私の方を見て苦笑いしていると、リン君もエンジンをかけ、私の隣に来た。






「春美ちゃん、乗っていいよ」


「あ…うん、わかった…」







明菜は多分、リン君の事が好き。

私はこの時、自分でもよくわからなかったけど、明菜は、私が拓真を好きだと勝手に思い込んでいた為、この組み合わせは正直、お互い気まずい。