拓真の返しに、苦笑いのリン君。





「お前…知らないなら聞くなよ。

たしか…俺が六組で、拓真が一組じゃなかった?」


「それ、去年だよ…」





明菜がそう言うと、拓真はクスクスと笑った。





「今年は拓真君が二組で、リ…じゃなくて、林君が五組だよ」





親しくもないのにうっかりあだ名で呼んでしまいそうになった明菜に、リン君はクスッと笑った。





「あはは。いいよ、リンで。

小学校から一緒のやつらは、みんなそう呼ぶし」



「あ、うん…」



「二人は何ていうの?」



「明菜だよ、この子は春美」





私達の名前を、明菜がリン君に教えていると、拓真は後ろを振り返り、どこか遠くを見ていた。