黙祷が終わると、一台のフルスモークの車が、事故現場に入ってきて、


運転席から降りてきたのは美咲さんだった。








美咲さんが車から降りて歩きだすと、近くに居た怖そうな男達は、みんな黙って美咲さんに軽く頭を下げ、


ゆっくりと歩み寄った花の前でタバコに火をつけた美咲さんは、それを線香に見立て道路に立てると、

静かに目を閉じ、手を合わせた。








「……。」








その光景を見た私は、美咲さんやマドカさん達の、大切な仲間だった人への送り火を見て、何も知らず綺麗と言ってしまった自分が恥ずかしくなり、

少しだけ胸が痛くなった――