その後。
徐々に打ち解けた私達は、拓真達に話したように、二人に家出した理由を話した。
真也さん達も美咲さんも、拓真達の周りは本当に良い人ばかりで、この人達と居ると、学校で毛嫌いされる同級生の事や、暴力を振るう父親の事なんか、どうでもよく思えてきた。
「おう、わかった。
じゃあ、そろそろ出るわ」
数時間後、
真也さんの携帯に誰かから連絡が入り、電話を切った真也さんが、タバコを灰皿に押し当てながら言った。
「拓真達、今から出るってよ。
俺らもそろそろ行くか」
真也さんがそう言い、
私達はアパートから出て再び車に乗り込んだ。