遠慮しながらも、心の中では少し欲しいなあと思っていた、拓真の写真を受け取り、私が写真をボーっと見ていると、明菜がマドカさんに言った。
「マドカさん、ハサミ貸して下さい」
「ハサミ?
そこの引き出しに入ってるから、使っていいよ」
「ありがとうございます」
明菜はマドカさんからハサミを借り、さっきもらったリン君の写真を綺麗に切り抜き、財布の中へ入れた。
「はい、春美」
「え…」
「そのまま持ってたらバレるよ。
同じ家なんだし」
「あ…うん、ありがと…」
明菜から受け取ったハサミを使い、拓真の写真を切り抜き、私も財布の中へ入れた。