｢明菜ちゃんは？何か理由あるの？｣





リン君は明菜の前でかがむと優しい声で聞いた｡





｢ウチも同じだよ。父親、すぐ殴ってくるんだ。


だから、その…家出のノウハウみたいなものを、二人に教えてほしくて…｣





明菜は笑われるのを覚悟で言ったが､リン君はバカにしたりせずニコッと笑った｡





｢拓真、

とりあえず、お前の家に戻ってから考えようぜ｣





リン君がそう言うと拓真もニコッと笑い、振り返って歩き出しながら私達に言った｡






｢オッケー、春美たちは今から仲間ね〜｣






立ち上がったリン君も拓真に続いて歩きだし、私と明菜は拓真が言ってくれた仲間という言葉が嬉しくて、顔を見合せクスクス笑いながら、二人の後ろを付いていった｡