「まずは寝る所だよねえ。どうする春美?」
「う〜ん…
安いビジネスホテルとか?」
「3日で貯金無くなって終了しちゃうってば」
「…野宿?
蚊に刺されるの嫌だよ、私」
「そんなデリケートな体質じゃ、家出とか出来ないでしょ…」
「まあ、それ以前に、こんな格好じゃ、ホテルに入ってもフロントで断られるだろうけどね」
ベンチに並んで座りながら、自分の夏らしいラフな格好に視線を向けていると、明菜が何やら閃いた様子。
「あ、いいこと考えた」
「…?」
明菜はそう言って立ち上がり、歩き出した為、私も後ろを付いていくと、明菜は公園内に在る公衆電話の中へ入った。