翌日。私は何かが割れる音で、目を覚ました｡




きっとまた、一階に居る父親が昼間っから酒でも飲み、何か物にでもあたったのだろう｡






｢……。｣






ベッドから起き上がり、昨日、明菜が言っていた家出という言葉を思い出す｡






(物の次は私に来るんだろうな…

ましてや夏休みだから、家に居たら一日中か…)





家出をすればその間だけでも楽かな、などとボンヤリ考えながら、左目に出来た紫色のアザに軽く触れ、前日、拓真が去り際に言った言葉を思い出す。






｢……。｣