「先輩…すみませんでした。

俺…焦って、逃げちゃって…」






優介君は、申し訳なさそうに下を向いて謝った。






「優介〜、

俺らが何に怒ってるか、わかる?」







拓真は普段通り、ニコニコしながら、そう聞き、

とても、怒ってるようには見えなかった。







「はい…

先輩置いて、逃げたこと…」



「ちげーだろ!

女乗せてんだから、先にそっち逃がすの常識だろ!」








リン君が、初めて怒鳴った。