「…慣れてるね」 明菜は呆れてそう言った。 「…うん。 なんか、別世界の人達って感じ」 真夏の太陽がアスファルトを焼き、ボヤけた道路。 歪んで見えた、パトカーのテールランプが見えなくなった後も私達はサイレンの音に耳を傾け、無言で聞いていた。 「……。」 気付けばアイスは溶け、地面に落ちていた。 これから始まる長い夏休みの前日、 私達は出逢った――