仕事中、部屋の引き出しの中に入れてきた今日までの給料と、隣の居間で暇そうに酒を飲みながらテレビを見ていた父親の姿が、交互に脳裏をよぎった。







(…もうちょっと分かりにくい場所にしまっておけば良かったかな)







私達は灯火の先輩達に、レディースに入るのは特攻服を用意出来る5月の頭からにしますと話を付けていた為、

4月も中旬を過ぎた今、万が一あの金を父親に手を付けられてしまえば、特攻服代はなんとかなるにしても、刺繍代まではどうにもならなくなる。






「……。」







次の休みは3日後だった為、私はそれまで真弓の家に給料を置かせてもらおうと考えた。