「どうしたの、尚美」
コンビニへ向かう途中、ボーっとして俯きながら歩く私の顔を、真弓が覗き込んできた。
「…え、ああ。
なんでもないよ」
「父ちゃん?」
「……。」
こんな時だけ頭が回る、私の親友。
「…うん。
あいつまた、仕事辞めやがった…」
「マジか…」
「家に金置いてたら危険だな…
給料、日払いだし…」
「持ってきたの?」
「いや、出先だったから。
明日からは持ち歩く」
「次の休み、通帳作りに行くか」
「そうだな」
真弓の父親のおかげで、私達は見習いだが日給で8千円も貰えて、
今日が丁度10日目なのだが、私はちゃくちゃくと、6万円位、お金は溜まっていた。