すると、
「……。」
受験者が100人も居ない上、落ちる方が有り得ない受験の為、番号は1から順に、綺麗にズラーッと並んでいた。
しかし、
「…ゲッ」
思わず、声が出てしまった。
それもそのはず、なんと1番から順番に並んでいた数字は、見事に真弓の番号だけをジャンプして飛び越え、51番と53番の間だけ、穴が空いていた。
「あ、落ちちゃった」
「……。」
そう言って、口を開けてポカーンと掲示板を見上げる真弓に、
私達はかける言葉が見つからなかった。
「あははは。
ま、しゃーねえよな」
落ち込んだ様子もなく、相変わらずヘラヘラと笑いながら振り向いた真弓に、和也が苦笑いを浮かべながら言った。
「お、落ちるか普通…
北校落ちた奴なんか、聞いた事ねえぞ…」
「伝説になるかな?」
「なる、きっとなる」
真面目な奴ばっかりだった中学とは違い、似たような奴らが集まる北校での、真弓との高校ライフを楽しみにしていた私は、
多分、真弓の数倍ズドーンと気持ちが落ちていた。