2月になり、

北校受験、当日。



この日は真弓の母親が受験会場まで車で送ってくれて、私と真弓は学校の前で車から降りた。







「真弓も尚美ちゃんも頑張ってね」



「はい、ありがとうございます」



「終わったら電話する〜」







真弓の母親が車を発進させるのを見届け、私達は学校の門に振り返った。







「お〜居る居る。

つーか、ほぼヤンキーだけじゃん」



「つーか、あんたは何でロンスカ履いてきてんだよ」



「ポリシーっすから」



「…バカだろ、お前。

あ、バカか」







毎年この学校を受験するのは、7割以上が県内の不良達で、家庭の事情などで受験する人間も居るが、せいぜい2割程度。



受験会場には、真弓の様にロンスカを履いてくる様なバカは居ないが、その日限り髪を黒くしてきたりして、普通の格好を装うヤンキー達が溢れていた。