すると、
昇降口を出た所で、先輩らしき女の不良達が数人たむろしていて、先輩達の視線が私に向いた。
「…おい、頭下げろ。
ウチの三年のヤンキーグループ」
「……。」
萩村は小声で私に耳打ちしながら、三年の先輩達に頭を下げた。
「…なんだオメー、二年か?」
中学生とは思えない厚化粧に、当時はヤンキーの王道だったキツメのパーマとロンスカ。
一人の先輩がロンスカのポケットに手を突っ込みながらそう言い、先輩達は私達に近づいてきた。
「なに、この頭。
お仕置きされてーのか、オメーは」
「……。」
今では考えられないが、当時は髪を染めているだけで先輩達にボコられる事なんて、日常茶飯事で、
私は声をかけてきた先輩に髪を掴まれた。