休み時間になり、私は学校に居てもつまらない為、帰宅する事にして立ち上がった。
「お、トイレですか?」
「……。」
ニタニタしながら聞いてくる萩村をチラッと横目で見た私は、質問を無視して鞄を手に教室から出た。
「おーい、ちょっと待てってばー」
「……。」
教室を出ると萩村が追いかけて来て、私の隣に並んだ。
「なあなあ、無視すんなよ。
やっぱ友達居ない奴は、休み時間トイレってお決まりだよね」
「…鞄持ってトイレ行く奴が、どこに居るんだよ。
それに、転校初日なんだからダチがいねえの当たり前だろ」
「仕方ねえな
私が友達になってあげるから名前教えてよ」
「いや、遠慮しとく」
「遠慮すんなって」
「いや、あんたウザそうだし」
「はあー!?
人がせっかく気にかけてあげてんのに、よくそんな事言えるね、あんた。
たしかに私ウザイけど」
「…自覚あんのかよ」
真っ直ぐ向いたままスタスタと歩く私を、萩村は昇降口まで付いてきた。