やはり不良になってしまったんだなあと少しガッカリもしたが、それでもやはりマミ先輩は可愛かった。
「先輩、単車の運転出来るんですね」
「はい、125ccですが。
ちなみに成っちのダックスは70です」
「へえ~‥よく分からないけど‥」
中型にしては小型なバイクに乗る先輩達。
そこはやはりレディースだから仕方ないのかなあとバイクを眺めていると、チカ先輩が口を開いた。
「乗りたい?」
「え、いや、ムリですよ‥原チャリならともかく、単車なんて」
「根性ないな~1年生」
「アハハ‥」
「あ、オレは乗りたいっす」
「おっ、よく言った、勇気ある少年」
忍は躊躇なく立候補し、カナ先輩に乗り方を教わり始めた。
「マミ先輩、牧村先輩も暴走族に入ってるんですか?」
忍のヘタな単車の発進を眺めながら、横に並ぶマミ先輩に尋ねた。
「はい、入ってますよ」
「へえ~。カッコイイですよね、牧村先輩」
「さあ、見る人によるんじゃないですかね」
そこでウンと言われてたら、おそらく相当なダメージを受けていた為、俺はその興味なさげな返答にホッとした。
「俺、前に牧村先輩に会った時、チャリンコのチェーン直してもらったんですよ」
「そうですか、良かったですね」
「その前にも俺、野球部の先輩から助けてもらった事があって、尊敬してるんすよね、牧村先輩の事」
「‥‥‥。」
「良い人ですよね、あの人」
「見る人によっては、良い人に見えるかも知れませんね」
「え?」