七月に入り、この日も忍と日課の練習を行っていると、日が暮れかけた公園内にバイクが数台入って来た。
「あれ、マミちゃん先輩たちじゃね?」
キャッチボールを中断し、少し離れた所にバイクを停めた先輩達を見ていると、向こうも気づいたらしく、顔をこちらへ向けていた。
「忍、挨拶いかない?」
「ああ、いいけど」
割と広めの公園だった為、グローブを置いて数十メートル先の先輩達の元へ歩み寄ると、マミ先輩の他にバスケ部のチカ先輩とカナ先輩。
それと、バスケ部ではない3年の不良っぽい女子が3人居た。
「こんばんはー」
すると、挨拶をした瞬間、俺はマミ先輩の可愛いお顔がアザだらけな事に気づいた。
「って、どうしたんですか!?その顔!」
「大樹少年。元気ですか?」
「元気ですけど、なんで皆さん顔ボコボコなんですか!?」
マミ先輩だけではなく、他の先輩達も顔を腫らしていた。
「これは私達の勲章です」
「‥勲章?ケンカですか?」
「です」
「マジすか‥」