その瞬間、 無愛想だった彼は、クスッと優しそうに笑った。 「たまに見かけてたんだよ。 バスケのボール持って、4.5人位で歩いてんの。 180近くある中坊の女なんて、そうそう居ねえからな」 「…もしかして、お兄さんの部屋、あそこですか?」 私はそう言って、苦笑いしながら、昨夜開いた二階の部屋を指差した。 「感謝しろよ。 逃げたのが男だったら、窓から飛び降りて捕まえてたぜ」 「……。」 彼はそう言ってクスクスと笑った。