決勝の相手は、ミニバス時代も全国を賭けて戦った事のある、県内で唯一、私達に張り合える強敵。
ここまでは負け無しの大差で勝ち抜いて来たものの、後半になってもシーソーゲームを展開していた。
「チャージド・タイムアウト、白」
後半、残り2分。
1点負けの状態で、私達の中学がタイムを取った。
「久恵!
あんた何回5番にヤラレれば気が済むんだよ!
簡単にゴール下に入れんな!!」
「そんなこと言うなら咲希もちゃんと4番止めろよ!!
お前が抜かれて切り込まれる度に、ヘルプ行かなきゃなんねーこっちの身にもなれよ!!」
「そっちはミスマッチなんだから、こっちと一緒にすんなよ!
10センチ近くデカいくせに、何でリバウンドすら取れねーんだよ!!」
ただでさえ気性が荒く、負けず嫌いな奴らなのに、
思い通りに動けず、相手を突き放せない展開に、みんなイライラがピークに達していた。