「…あ、本当だ。
これ、最初から?」
亀裂の入ったカバーを指差しながらそう聞くと、久恵が答えた。
「いや、
直結する時に邪魔だったから私が壊した。
ベリッと」
「…ったく。
何やってんだよ、お前ら…」
「ちなみに、
ハンドルロックも久恵の馬鹿力で無理やり折った」
「得意気に言うな。
カバーって、いくらすんの?」
私がそう聞くと、久恵が適当な事を口にした。
「プラスチックだから、300円位じゃねえか?」
「ハンドルロックとか言うのは?」
「鉄っぽいから、千円位か?」
「じゃあ、あんたらで1300円、弁償しろ」
再び嫌そうな顔をする2人が、声を揃える。
「ええ〜…」
「ええ〜じゃねえよ。
サッサと財布出せ」
「……。」