ふてくされる2人は、しぶしぶ私の言うことを聞き入れ、

私達はコソコソと原付があったアパートへ戻しに向かった。







「…2階、まだ電気点いてるぞ。

静かにスタンド掛けろよ」







小声でそう言うと、久恵は音を立てない様、静かにスタンドを掛けた。








「…よし、退却」







そう言って退却しようと振り返ると、ひみ子が小声で私を呼び止めた。







「ねえ、ちーちゃん。

壊れてるよ〜、ここ」



「…?」







ひみ子はそう言ってフロントカバーを指差し、私はひみ子が指差す部分を見に戻った。